研究活動

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本専攻と協力各専攻における教育研究活動の一端を画像により簡単に紹介します。さらに詳しい内容を知りたい方は各項目からリンクされている各研究室/グループのページを参照ください。

超音速旅客機模型の風洞試験

音速の2倍(マッハ2)の速さで飛行する次世代超音速旅客機の空気力学的特性を調べるために行った風洞試験の映像です。"シュリーレン法"という方法を用いると、機体各部から生じる衝撃波を可視化することができます。

超音速旅客機模型の風洞試験

航空宇宙工学科超音速風洞にて撮影

手作り超小型人工衛星 "CubeSat"

学生が自ら設計・製作した大きさ10cm、質量1kgの人工衛星です。サイコロのような形状から CubeSat-XI [さい] と名づけられた衛星は、2003年にロシアのロケットにより地球周回軌道へ打ち上げられました。

手作り超小型人工衛星 CubeSat

CubeSatプロジェクト提供

大気圏再突入カプセル周りの流れ

地球周回軌道から大気圏に再突入する帰還するカプセル周りの流れを数値計算により調べた結果です。図中、明るい部分は気流の密度が急激に変化していることを表しています。

大気圏再突入カプセル周りの流れ

長島・寺本研究室提供

複合材料埋込型の細径光ファイバセンサ

構造材料内部に発生した損傷を検知するために、外径が52ミクロンの極細の光ファイバセンサを開発しました。これは、炭素繊維強化プラスチック複合材料(CFRP)の直交積層板中に細径光ファイバセンサを埋め込んだ断面写真です。材料強度を低下させずに埋め込むことが可能で、材料内部の微視的損傷・ひずみ・温度変化を検出できます。

複合材料埋込型の細径光ファイバセンサ

武田・岡部研究室提供

ガラス板を伝播する割れ目がつくる模様

航空機や宇宙機の構造材料に関係して、様々な材料が変形して破壊に至る機構の解明に取り組んでいます。画像はガラス板を一様に熱して冷水中に沈下させ、熱応力によって破壊させる実験を行い、その時にできた割れ目の部分を拡大したもので、亀裂が蛇行しながら成長した跡が認められます。

ガラス板を伝播する割れ目がつくる模様

塩谷・藤本研究室提供

超音速航空機主翼上の速度場計測

システム統合能力を育成するために、学部生ならびに大学院生を対象とした航空機設計の講義と実習を行っています。大学院科目"航空機設計特論"では、受講生がグループに分かれて、UAV(無人航空機)、MAV(超小型無人航空機)、火星航空機の機体をそれぞれ設計しました。写真は、実機製作まで行ったMAV機体です。

超音速航空機主翼上の速度場計測

李家研究室提供

航空機設計に関する講義と実習

超音速航空機の主翼上には前縁剥離渦と呼ばれる渦が作られます。図は右に傾いた超音速航空機主翼上の剥離渦の流速ベクトルと渦の強さを計測した結果です。機体を真後ろから見ており、中央の円形部は胴体です。青色の部分が右回りの渦、黄色の部分が左回りの渦に相当します。

航空機設計に関する講義と実習

航空機設計特論より

微小重力環境での液滴燃焼

浮力の効果が著しく小さくなる微小重力環境を、落下塔を用いて創り出し、細線の先端に付着させた粒状の液体燃料を燃焼させた様子を観察した映像です。自然対流が発生しないため、球状の火炎が形成されます。このような球状燃焼現象は、球対称1次元で記述されるため、詳細な燃焼機構の解明や数値計算による解析が容易になるという利点を有しています。

微小重力環境での液滴燃焼

河野・津江研究室提供

ビーミング推進機
ビーミング推進機

荒川・小紫研究室提供

ライトフライヤーの仮想操縦

ライト兄弟が初の動力飛行を成し遂げたライト・フライヤー号を、フライトシミュレータによって再現し、操縦を体験するプロジェクトに取り組んでいます。ライト・フライヤー号の機体は非常に不安定であり、操縦が難しかったと言われています。ライト兄弟がどのような機構で機体をコントロールし、どのように飛行を成功させたのか、ライト兄弟初飛行の瞬間を解明します。

ライトフライヤーの仮想操縦

鈴木・土屋研究室提供

回転翼列試験装置

ジェットエンジンや産業用ガスタービンを構成する圧縮機内部の複雑な気流を調べる試験装置です。毎分約3800回転する翼列のすぐ近くに計測器を挿し込みます。

回転翼列試験装置

渡辺・姫野研究室提供

ウェーブロータ
ウェーブロータ

長島・寺本研究室提供

地球観測衛星から得られた詳細地形データ

地球観測衛星が撮影した駿河湾から富士山にかけての映像を再構成して作成された鳥瞰図です。

地球観測衛星から得られた詳細地形データ

岩崎研究室提供

ロボット搭載型の宇宙作業機

ロボットを搭載した宇宙作業機を使って、人工衛星の組立、診断、保守、捕獲などを行う研究に取り組んでいます。地球周回軌道上の宇宙環境を保全し、使い捨てではなく、再生循環型の宇宙システムを構築することを目指しています。

ロボット搭載型の宇宙作業機
分岐管内振動流の可視化

人肺内部に見られる気道を模擬した分岐管内を往復する振動流の流跡線を粒子混入法により可視化した例です。

血流や呼吸器内部流など、生体内部流れには大変巧妙な仕組みで流れを操ったり、物質や熱の輸送を促進している現象が数多く見つけられています。そのような生体内部における熱流動現象の機序を工学的に明らかにするとともに、従来は着想されなかったような熱流動システムを構築する可能性を探っています。

分岐管内振動流の可視化

渡辺・姫野研究室提供

再使用ロケット実験機のスロッシング予測

飛行中に様々な加速度変動を受ける宇宙機内部の液体推進薬の動き(液体揺動=スロッシング)を予測するための研究例です。実機タンクの模型を大きく揺さぶる実験とともに、砕ける波の動きまでを適切に模擬できる数値解析手法の開発にも取り組んでいます。

図は再使用ロケット実験機(JAXA宇宙科学研究所)の液体推進薬タンクの内部形状を決めるために行った数値解析の一例です。

再使用ロケット実験機のスロッシング予測

渡辺・姫野研究室提供

超音速気流中に置かれた平板表面での乱流遷移

音速の2倍(マッハ2)の高速気流中に置かれた平板の表面で、斜め衝撃波の影響を受けながら、境界層が乱流へ遷移する様子を数値計算した結果です。水色で可視化された低速域の周りに、渦が絡み付いているのが見て取れます。

超音速気流中に置かれた平板表面での乱流遷移

長島・寺本研究室提供

超音速機エンジン排気が成層圏オゾンに及ぼす影響

民間用輸送手段として検討が進められている超音速機は、現在主流の亜音速機よりも高空を飛行するため、エンジン排出ガス成分が成層圏のオゾン層を破壊することが懸念されています。より環境に適合した推進技術の実現を目指し、排気ガス中の一酸化窒素(NO)がオゾンに及ぼす影響の解明するため、真空チャンバーを用いた成層圏環境の模擬実験と、数値計算による解析に取り組んでいます。

図は約50[ppm]のオゾンを含む2.67[kPa]の圧力雰囲気中にNOを含む模擬排気ガスを噴射させた場合について、噴流中のオゾン濃度分布を数値的に解析した例です。

超音速機エンジン排気が成層圏オゾンに及ぼす影響

河野・津江研究室提供

宇宙航空研究開発機構 宇宙科学研究所

宇宙航空研究開発機構宇宙科学研究所(JAXA/ISAS : 宇宙研)は、その前身である東京大学宇宙航空研究所、文部省宇宙科学研究所の時代を通じて、本専攻の大学院学生に対する研究教育を担当しています。

学際工学併任教員 : 宇宙航空研究開発機構宇宙科学研究所を本務とする理工学研究者が、東京大学の理学系・工学系の8専攻において、東京大学を本務とする教員と、対等な権利と義務の下に大学院教育に参画するという画期的な仕組みです(1987年協定締結)。わが国における宇宙科学の発展、および、大学における理工学教育研究の先端化に、大きな成功を収めてまいりました。

再使用ロケット実験機

宇宙航空研究開発機構宇宙科学研究所が中心となって実施している再使用ロケット実験(RVT : Reusable Rocket Vehicle Testing)の飛行試験です。

機体やエンジンを頻繁に何度も繰返して運用できることを実証してみせるだけでなく、先進的な軽量構造、誘導航法、推進技術を実際に試験してみる機会の創出も狙いの一つです。

再使用ロケット実験機

稲谷研究室提供

マイクロ波放電式イオンエンジン

宇宙航空研究開発機構宇宙科学研究所が中心となって開発した惑星間航行用のイオンエンジンです。開発の初期段階では、宇宙研に配属された本専攻修士課程の大学院生が多くの貢献を果たしました。

その後、無電極放電によるプラズマ源の最適化を更に追求した結果、低いイオン生成コストと高い推進剤利用効率を達成するエンジンの開発が進み、遂に小惑星探査機"はやぶさ"にメインエンジンとして搭載され、宇宙飛翔を成功させています(2003年)。

マイクロ波放電式イオンエンジン

國中研究室提供

感圧塗料を用いた表面圧の合力推算

感圧塗料(PSP)計測システムを用いることにより、単に模型表面上の圧力情報を取得するだけではなく、面計測というPSPの特徴を活かし、対象物表面圧の合力推算を試みています。

図は、宇宙往還機模型の表面格子に圧力分布を貼り付けた画像ですが、模型形状の表面格子にPSP計測から取得した圧力分布を貼り付けて積分することにより、その合力を算出し、点計測だけでは得られない有益な情報を得ることができます。

感圧塗料を用いた表面圧の合力推算

藤井研究室提供

遷音速フラッターの流体構造連成数値解析

航空機や宇宙往還機のような有翼飛翔体の開発において、飛行中に翼が振動し破壊へと至るフラッター現象は考慮すべき重要な問題です。流体と構造の各支配方程式を連成した流体構造連成手法を開発するとともに、遷音速域にフラッター現象の詳細な解明に取り組んでいます。

左図は、遷音速デルタ翼フラッターシミュレーションによって得られた翼の変形と圧力分布などを可視化したものです。

遷音速フラッターの流体構造連成数値解析

藤井研究室提供

ハイブリッド型乱流モデルによる薄翼失速の数値解析

数値解析技術の向上を目指し、"LES/RANSハイブリッド手法"を開発するとともに、実験を行うことが困難な乱流に関係する流体工学的諸現象の解明に取り組んでいます。

図は、失速点付近における薄い翼周りの流れを数値的に模擬した結果で、翼前縁で発生した剥離に伴う渦(グレー等値面)により、翼面上圧力が局所的に低くなっている様子が理解できます。

ハイブリッド型乱流モデルによる薄翼失速の数値解析

藤井研究室提供

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